今日は、ABRSM(英国王立音楽検定)の説明会を、Zoomで受けました。
ABRSMとは、世界93か国で毎年63万人以上が受検する、130年前からイギリスで行われている音楽の検定試験。
ピアノやヴァイオリンはもちろん、声楽、木管楽器、金管楽器など、色々な楽器での受検が可能です。
グレード検定は1~8級まであり、課題曲3曲・スケールとアルペジオ・初見試奏・オーラルテストが必須になっています。
先月中国から来られた生徒さんが、グレードを引き続き受けられたい、ということで、色々と資料を取り寄せたのですが、内容が多岐にわたり、なかなか理解が難しかったので、情報を集めて、今回親切にも説明会を開催してくださったのは、JMEAの佐藤由有子先生。
ABRSMの活動を日本で広めていらっしゃる方だそうです。
特徴的なのは、オーラルテスト。
初期の段階では音楽を聴いて拍子を理解し、音楽に合わせて拍を打つ、進んだ段階では旋律を歌ったり、曲の特徴を説明する。
最上級のグレードでは、三声の最下部を聴いて覚えて歌う、曲を聴いて終止形を答える、転調を答える、新曲の構成・特徴・様式などについて説明するなど、音楽を言語化することによって、理解を深め、教える準備ができます。
課題曲は、よく知っているものから、ジャズ的な要素の入ったもの、現代音楽まで。
正確に弾く、というよりは、音楽の背景や内容を理解した上で、その人なりの表現ができているか、ということを重視されるようです。
スケール・アルペジオはグレード8になると音大以上の難しさで、全音音階もあります。
初見演奏もグレード8はかなり難しいものでした。
でもそのおかげで、イギリスでは街中で初めて会った楽器を弾ける人と30分ほど練習すると、アンサンブル演奏を披露できるくらい、初見・アンサンブル能力が高いとか。
日本では特にグレードを持っていなくても教えたり演奏活動できますが、海外ではグレードを持っていることが必須の条件だそうで、中国ではABRSMの最上位のグレードで高得点をとっていると、ビルが建つくらい生徒が集まるのだとか。
アメリカの大学でもABRSMの資格を持っていたら認められたようで、まさに世界に通用する検定試験。
ちなみにアメリカでは、楽器を習うと、先生は必ずどこかの組織に所属していて、そこで主催するグレード試験を毎年必ず受けさせられます。
達成目標がきちんと決められているので、今自分に必要なことが分かり、次の目標設定も具体的にできます。
今回説明会を受けてみて、オーラルテスト的な要素をレッスンでも取り入れていきたいなあ、と感じました。
現在、感染予防対策として、
・ マスク着用
・ 入り口での手指のアルコール消毒
・ 一組ごとの換気・鍵盤消毒
・ 普段より離れた位置からの指導
・ 教室内の人数制限
・ おもちゃ類の撤去
などを行っております。
お家に帰られた後も、手洗い・うがいを徹底されるようにお願い致します。
なお、体調不良・天候不良の時などは、いつでもオンラインレッスンに切り替えさせていただきます。